マーケティングを4Cで考える

わがオズプランニングは、千代田区神田神保町にあります。神保町といえば、言わずと知れた「世界に冠たる古本屋街」です。私は、この街が大好きです。いろいろな企画をする仕事をしている私にとっては、自在に使いこなせる巨大な資料館をもっているような気分です。ちょっと企画に行き詰まったり、わからないことがあると、書店街をぶらついて、関連の書籍を探したりします。まあ、いまどきはインターネットでも、たいがいのことは調べられますが、根がアナログなので、紙に印字された情報のほうが何か安心できるのです。。。

その神保町界隈は、古本の街である同時に、ラーメン・カレーのメッカでもあります。これも、多くの方がご存じだと思います。

私もラーメン好きなので、神保町界隈のラーメン屋はあちこち行っています。ただし、ラーメン二郎の神保町店には行ったことがありません。いつもすごい行列だから、というのもあるし、最近流行りらしい、こってり系のラーメンが、さすがにこの歳になると辛いということもあります。

ラーメン屋さんって、すごいですよね。徹底した商品の差別化が、ビジネスの成否を決めてしまいます。プロモーションもヘッタクレもない。その店のその味を「うまい」といって通ってくれる顧客がどれだけ付くか、それがキー・ファクターです。牛丼屋さんやハンバーガーショップなどは、景気の影響で値下げしたり、値下げしたりしますが、ラーメン屋さんが、「100円値下げしました!!」みたいな宣伝をしているのを見たことがありません。

もちろん、低価格を売りにするラーメン屋さんはありますね。神保町にもあります。でも、それに対抗するラーメン屋さんはありません。価格が決め手にはならないのです。

もはや、「二郎のラーメン」と「幸楽苑のラーメン」は違う食べ物だということなのでしょう。店が違うと商品として違うものになってしまうので、代替が効かないわけです。唯一無二の商品だし、そこへ行かないと食べられないのだから、値段はそれほど問題ではない。すごいです。世界で唯一、マーケティングが不要な業界はラーメン屋さんかもしれません。しかし、マーケティングに携わる者としては、研究すべき業界かもしれません。

 

それはそれとして。

マーケティングには「マーケティングの4P」という概念があります。製品(プロダクト Product)、価格(プライス Price)、流通(プレイス Place)、プロモーション(Promotion)の4つの要素の頭文字がすべて「P」なので、4Pです。

プロダクトは文字通り製品戦略のことですし、プライスはいわゆる価格戦略、プレイスは、その商品(製品)をどこで売るのか、あるいは効率的に顧客に商品を届けるにはどうすればいいかという流通戦略を考えます。そして、どんなに素敵な商品を開発しても、その商品の存在や、商品の良さを適切に伝えなければ買ってもらえないということから、広告宣伝などのプロモーション(販売促進)戦略が必要になるわけです。

この、4つのPをどう組み合わせていくか、ということを考えるのがマーケティング・ミックスといわれる概念で、マーケティングの重要なセオリーのひとつだといわれてきました。

 

でも、わがオズプランニングが、お客様からのご依頼でマーケティング企画を立案する際に、4Pベースで考察するということはあまりありません。

どうも、4Pという概念がプロダクト・オリエンテッド(カッコつけて横文字使いました。。。「製品志向・生産志向」ということです)な考え方っぽい感じだからなのだと思います。もともとマーケティングは、製品/生産志向から、販売志向に移行する段階で発展してきたという歴史があり、よってマーケティングの黎明期には重要なセオリーだったのですが、今日においては、重要であるけれども、それだけですべてを解決できるほどのセオリーでない、ということなのでしょう。(冒頭で触れた「ラーメン屋さん」も、Priceはあまり重要とは思えませんし、ね。)

4Pについては、機会を改めて考察してみたいと思います。

 

さて、新しい商品を開発したい、というような場合には4Pを重視したマーケティング企画にすることもあるのですが、依頼の多くは「すでにある商品(サービス)を、どう拡販するか」ということが課題なので、4Pとは違う概念(フレームワーク)を使うようにしています。

わがオズプランニングが、クライアントからマーケティングに関する何らかの企画を依頼された場合(多くは、プロモーションに関する企画提案ですが)、前提とする概念(4Pのようなフレームワーク)があります。

 

それは、4Cです。

 

3Cという概念は聞いたことのある方が多いのではないかと思います。Customer(顧客・市場)、Competitor(競合)、そしてCompany(自社<の強み>)ですね。

わがオズプランニングが4Cと呼んでいる概念(フレームワーク)は、この3Cをベースとして、そこにCommunicationを加えたものです。あえて日本語に訳すと「情報交換・情報交流」ということになるでしょうか(まあ、企画書上では単に「コミュニケーション」と書きますが)。

 

当社の立ち位置は、企画会社ではなく、マーケティング・エージェンシーを標榜していますので、主業務はマーケティング企画やプロモーション戦略の立案であり、クリエイティブ制作業務を中心として、必要であれば媒体そのものも扱うプロモーションの実施です。

 

どんなマーケティング戦略もプロモーション戦略も、最終的にはターゲット顧客に“商品やサービスを購入していただく”ことが目的であり、そのための手段として、様々なメディアを効果的に使いこなしながら、商品・サービスのベネフィットや各種の優位性を適切に伝える「コミュニケーション」という視点が欠かせないのです。

企業内部でマーケティング戦略を構築する上では、3Cで十分なのかもしれません。でも、わがオズプランニングにおいては、3Cの分析に基づいて、それをターゲット顧客との具体的なコミュニケーションに落とし込まなければ、クライアントの課題に応えたことにはならないわけです。

 

ですから、常に4つのCに基づいて、企画を作り上げています。もちろん、投げかけられた課題によっては、4つのCすべてについて企画書上に表現するとは限りませんが、それは企画書からは割愛しているというだけで、我々は常に「カンパニー(クライアント、もしくはその商品・サービスの強みは何か、真のベネフィットは何か)」を洞察し、「カスタマー(市場のニーズはどこにあるのか、その規模はどれほどか)」、「コンペチター(どんな競合があるのか、競合に勝つにはどうすればいいのか)」を検討した上で、“だから”今回は、こういうコミュニケーションをすべきだ! という4つめのCを構築するのです。

 

次回、わがオズプランニングが重視する4Cについて、個別に見ていくことにします。